2011年08月27日

コミティアの感想

エベレストライブラリ、漫画担当のセキネです。
先週のコミティアで、いただいたり、買ったり、おまけしてもらったりした本を読みました。
どれもこれもおもしろくて、感動したので感想をまとめておこうと思います。
正直に書きます。もしかして失礼なことも書いてしまうかもしれません。
ごめんね。
入手順です。

【−CHAPTER22−】
『失う用意はある? それともほうっておく勇気はあるのかい』
『FORBIDDEN SEPTEMBER』
何がすごいって、この2冊を同じ人が書いているってことです。
全然毛色が違うんですもの。
私は金色の『FORBIDDEN SEPTEMBER』の方から読んだので、
まずは「若いなあ、すごいなあ」という印象でした。
続いて『失う〜』の方を読んだら「人生の機微を判ってらっしゃる、大人だなあ」と思ったのです。
どうしてくれましょうか。この変幻自在。
『失う〜』のさわちゃんのエピソードが一番こたえました。
「本当よねー」って。
30代ですから、身に染みます。


【−宵町UNION−】
『変身ヒロイン リコさんの日常』
私がお話(映画でも小説でも)を好きになる基準は
「現実にもいるような錯覚に気分になれるかどうか」です。
世界のどこかに本当に存在しているんじゃないか、
登場人物たちが今もどこかで生活しているんじゃないか、
って思わせてくれるお話が大好きです。
ジラフマートもリコさんもサトミも、とりあえず練馬区か板橋区あたりにいそうです。
リコさんもサトミも根っからのいい人って感じがします。
すごく好感がもてます。
キャラが立つってこういうことを言うんですか?


【−柏花/YURGE−】
『うつつうつつ』
「ネオトーキョーだべさ」のときから好きです。
本気で笑ってしまうんです。
お祭りのお話も、しっとりと終わるのかなーと思いきや、
やっぱりクスッとさせてくれるんですよねえ。
そして、どんどん絵が上手になっている気がします。
もともと上手です、上手ですけど、輪をかけて。
すごいな。いつの間に。
疾走感はもちろんですが、信号の描き方とかたまらないです。
あとおまけの『ししまい番長』もいいですよねえ。
恋がしたくなっちゃうわ。共学に通ってみたくなっちゃうわ。


【−アニュウリズム−】
『まとめタミコ』
『drawing collection vol.2』
女性っぽい女性にあこがれるんですが、
性別を意識させない女性も魅力的ですよね。
結局、人間として「興味深い人」を好きになってしまいますもの。
で、そういう女性にこそ、かわいらしさを感じてしまうんですよねえ。
というわけで、私が男だったら、確実にタミコに恋をしてしまうと思います。
タミコと同棲したいなあ。
一日中、見ているだけで楽しいだろうなあ。
裏表紙の「ま」ってどういう意味かなあ。


【−黒つぐみ−】
『てあみ!』
『黒つぐみ短編集@』
衝撃でした。
衝撃的におもしろかったです。
なんか揺るぎないものを感じました。
もっと読みたい、もっと読みたいです。
絵がいろいろなんですが、短編集の方の絵が格好いい!
こんなに緻密な絵から、笑いにつながっていくって、すごいなあ。


【−三好吾一−】
『ちょっとよろしい? しゃげるくん』
『かわらばんくん』
しゃげるくんには、心奪われました。
こういうの、やりたかった。でも私にはできなかった。
見事! 感動! うらやましい! 
人間じゃないものが出てくるお話、大好きです。
じゃらゾウくん、ヒヤナイほかにもいろいろ。
キュート! チャーミング! ポッチャリ!
しゃげるくんの造形が私の心をワシづかみにしました。
かわらばんくんは、クラスにいたらちょっといじわるしたくなるわあ。
あっさりした絵なのに、すごく人間くさい。


【−山坂書房−】
『漫画雑誌 山坂』第四号
『漫画雑誌 山坂』第五号
私、実は漫画をあまり読まないのです。
定期的に漫画雑誌を買ったこともありません。
だもので、若いころ持ち込みに行ったときに
「好きな漫画家は?」と聞かれて昔の漫画家を答えたら、
「生きている人では?」と言われて、
答えられなかった、ってえエピソードがあります。
そんな私にも安心して読める漫画雑誌です。
というか、これが普通に月刊誌だったら毎月買います。
こういう漫画を求めている人、たくさんいると思うわ。
言い過ぎでなく、全部良いんですもの!
雑誌だけど、読み飽きない。
構成もいいですよね、すごく完成されているわあ。


【−なるなる文庫−】
『はなせるね ロボ』
なんでロボットって、せつないのかしら。
ロボってそれだけで、なんだかキュンとしちゃうのよね。
今回も前半が愉快であればあるほど、のんきであればあるほど、
最後にフワッともっていかれるのよねえ。
前向きなせつなさなんですけどね。
「このまま、みんな幸せであってくれよ」と願ってしまうのです。
なんでかなあ。
この坊やも大人になるんだろうしなあ。
思い出すだけでも、キュンキュンする。
でも、もっとキュンキュンさせてって思うのです。


【−ココノツ−】
『ストーリーテラーとうさぎの家』
以前、吉井ちこさんに教えてもらった作家さんで、
今回となりのスペースだったので、買ってみたのです。
軽い気持ちでした。
そしたら……泣ける!
これはもう……泣ける!
と思っていたら、すでに第二版だったのですねえ。
たしかに、だってこれはとても良いもの。
お話のすばらしさは、ぜひ読んで確かめていただきたいのですが、
あとがきの「本物」にとどめを刺されるんですよ。
女性ヴォーカルの曲を聴いて涙を流す、女子中学生のように、
感情移入しすぎて、心をゆさぶられます。


【−近藤うも−】
『GRAPEFRUIT 特集かりあげクン大調査』
こういう本を待っていました。
バイブルにします。


【−いまい漫画会社−】
『予告編』
新刊の予告編です。
「これで終わりでも良かったんじゃないか」
と、友人と話していたんですが、
今、いまい社長のブログを確認したところ、
もっと真摯なお気持ちでいらっしゃって、
「そういうことなら待ちましょう」と思いました。
間に合わないとか言いつつ、車とか町並みとかちゃんと描いてるんですよねえ。
私だったら「四角をならべて、家」みたいに強引に描いてしまうので、
見習わなければならないなと反省したのです。
続きが気になるわ。


【−山本美希−】
『爆弾にリボン オフィシャルPV』(DVD)
もらっちゃいましたよー。
サインも入っているわよー。やったね!
自費出版の方を持っているので、単行本を買っていなかったのですが、
実物を見たら(触ったら、持ったら)欲しくなっちゃいますねえ。
山本さんには世界がどう見えているのかしら。
この構図は真似できないわあ。
「ラクしよう」とか「この程度でいいか」
なんて姑息な感じが一切ない、
考え抜かれている印象を受けます。完璧。


以上です。
本当に全部おもしろくって、びっくりしました。
こんなに描ける人がうようよしているんだぜえ。
すごいよ、がんばらなきゃなあ。
posted by エベレストライブラリSTAFF at 23:07| Comment(0) | 日記

2011年08月21日

残照から夜明け迄。

こんばんは、
エベレストライブラリスタッフブログの者です。
略称はELSB(Everest Library Staff Blogger)です。
ELVSではありませんよ、
ELVSだと、グレイスランドでピーナッツバターとバナナのサンドウィッチって感じですし。

改めまして、
明日、明日というには遅くてごめんなさい、
本日、8月21日開催のコミティア97で関根さんの漫画を販売致します!
於「E-08b エベレストライブラリ」。
ひとつどうか、宜しくお願い致します!

新刊短編集、『ずばぬけたバラ』、販売致します。
この作品はなんと、「H」や「コミックH」様に連載させていただいていた、
やや懐かしい関根さんの漫画作品を集めたアンソロジーとなっております。
いつも98ページ辺りに載っていたあの作品たちが、お手元に!
いつでもお気軽にお読みいただくことが可能になりました!
遂に実現したのですね、いわゆるひとつの単行本、憧れの単行本です。

ロッキング・オン様、吉井ちこ様、高野雀様、重ね重ね、ありがとうございました!

完成した本を初めて目にした時は、正直、
「ややうっすっ!(やや薄いものだなあ、という気持ち)」と思いました。
今回選んだ紙が、とても良い紙なのですが、ちょっと薄めの材質のものだったのです。
軽量ですし、しっかりとした本の造りなので持ち運びにも便利です。
全52ページです。
ヴォリューム的にもご満足いただけると思います!
印刷も、レイアウトも、とても素敵です。
内容も、四季をほのかに感じさせる曲順と作風、ナイスたからったナイス! です。
今鮮やかに蘇る、清潔感のあるバラです。
2000年代の、静かなひんやりと澄んだ空のような懐かしい空気に浸れること請け合いです。

あの頃僕らは若かった。
ところが皆様も僕らも今でも若いんですね、本当です、信用して下さい!
混迷の2010年代を生き抜く為に、
あの頃のガーリーやボーイッシュな世界で、たんまりと栄養補給を済ませておきましょう。
世界には僕たちの力が必要っぽいです!

今回は著者自身が厳選した七作品を収録しました。
もしかしたら、「んっ、あれは入っていないのだな」ということもあるかも知れませんが、
非常に面白いラインアップになっていると思います。
そして制作年不詳(恐らく他の作品と同じ時代のものです)のしっとりとした未発表作品も、
今回初収録です。『ずばバラ』でしかお読みいただけませんよ!
関根さんの短編を七作品連続で一気に読めるなんて有史以来初めてのことだと思います。
コンパクトサイズになったこの懐かしい新鮮さに触れてみて下さい。
H時代からご愛顧していただいている皆様も、
最近関根ワールドに参入して下さった皆様も、
『ずばぬけたバラ』、是非ご覧下さいませ!

因みに、作品解説はこの僕、エベレストライブラリスタッフブログの者が書かせていただきました!
ありがとうございます!
なにぶん長文人間なもので、
限られた字数の中で書くのは屋内で長刀での戦闘を強いられるのに似て狭苦しく多少大変でしたが、
絨毯の上を麺棒のように転がり続けるくらいに嬉しくて、とても楽しんで書かせていただきました。
こちらも、箸休めだったり、教科書の章と章の合間のコラムだったり、そんな向きで、
読み終えた後のクールダウンとして、減圧室的な感じで、
窓からのそよ風を浴びてティーカップの中味を飲み干す前にサラッと眺めていただけたなら幸いです。

『ずばぬけたバラ』という飛び抜けた秀逸さの溢れかえった題名の由来、
じっくりお読みいただけたなら見つけられると思います。
そして、描き下ろしの表紙をご覧下さい皆様。
実はこの表紙には収録作品たちの要素がちょこちょこっと入っていますよ。
どれがどれかな、と探してみるのもまた一興です。

さて、
関根さんのかつての作品、他にもいろいろと原稿があったのですが、それはまたのお楽しみ。
良さ気なスパンをそれとなく経たらまた、出来れば第二号も出したいです。

それではまた、そこかしこだったり、ここでお会い致しましょう。

お茶も出せませんで、残暑お見舞い申し上げます、エベレストライブラリ。
posted by エベレストライブラリSTAFF at 03:39| Comment(0) | 日記

2011年08月12日

新しい本につきまして

《コミケ翌週の21日コミティア97「E-08b エベレストライブラリ」にて関根美有さんの新刊出ます。以前HやコミックHに掲載された漫画再録+未発表作品という内容。ドラマ「モテキ」の部屋にあったあたりのHが好きだった人もぜひ。》

《そして、その関根さん(@everest819)の新刊はコミケ3日目の @chapter_22 さんのスペースにも置いていただけるということなので、コミケ行かれる方はそちらでもお買い求めいただけます。高野さんのご厚意に感謝いたします!!!(以上、お手伝いによる宣伝でした)》

※chicoさんのツイートを引用させていただきました。


そもそも、この本はchicoさんと高野さんが企画してくださって、実際の作業はchicoさんにやっていただきました。面倒なデータ化・文字打ちから、アートディレクションまで。私が、おはぎの家(おとぎの国にあるんだよ)でファミコンやったり、マンガを読んだりしていたら、できていたんです。なんとお礼を言えばいいのでしょう。本当にありがとうございます。本当にありがとうございます。

1冊300円です。
以上、スタッフでなく、エベレストライブラリ漫画担当の関根が書きました。
なにとぞよろしくお願いいたします。h01color.jpg
posted by エベレストライブラリSTAFF at 01:03| Comment(0) | 日記