エベレストライブラリスタッフブログの者です、身体は硬く、心は軟体です。
もうだいぶ日が経ってしまいましたが、
前回のコミティアに参加された皆様、ご来場いただいた皆様、
本当にお疲れ様でした。
そして心より御礼申し上げます、ありがとうございました!
売り子のお手伝いをさせていただきました。
関根さんの漫画を読んで下さるかたがたを初めて目にすることが出来て、
ちょっとまだ言葉が開発されていないような感情の幸福感に浸りました。
そしてお世話になっている沢山の漫画家仲間の皆さんにお目に掛かることも叶いました。
漫画家というのは、基本的にはチームでやるスポーツやお仕事とは少し違うから、
皆さん普段は殆どそれぞれ、各自で机に向かって黙々と取り組んでいらっしゃる。
だからああしてたまにお会い出来た時には、
皆さんお互いを労い合いつつ満遍なく優しい笑顔を振り向け合うなのではないか、
と勝手に思ってしまいました。
皆さんお疲れ様でした。次も良い作品を作ってゆきましょう!
『いままでのまりちゃん』は女性のみならず男性にも大人気。
『タグレッツ』が男性中心に売れていたのはドンピシャ誠に嬉しかったですし、
ゲットされた皆様は実にお目が高い!
著者お気に入りの入魂作なのです。
昭和タッチの文学青年の心境心理を此処まで深く色濃くドロッとサラッと独特に描ける、
そう関根氏は凄い男らしい女子です。
まりちゃんとタグちゃんは女子の世界と男子の世界。
併せて読んでいただければ、
より深遠で広大な関根ワールドを探索し堪能出来ること請け合いです。
関根さんがどんな人物か、関根さんが描く世界はどんなか、
それはそのまま、この世界はどんなか、
人間とはどんななのかを探求してゆく資材教材ともなり得ます。
潜水艇と地下水洞窟をいっぺんにご用意させていただいている感じです。
この度、新たにママールとの出逢いを果たされたかたもいらして感動しました。
『ママール・フ・モモール、なりに』、これは長編、名作です。
h連載時代を第一章とするのなら、関根さん第二章の記念碑的作品です。
ママールは、泣けるんですよね。
「生きている」ということは、ただ「生きている」という状態のことのようでいて、
ママールが彼なりに縦横無尽に生き回ったように、
パレットと、絵の具と、キャンヴァスで、
実は、実に、これだけ様々な味と色を描き出せるんです。
ママールのようにいろんなことが起きなくても、
これを読んで、ちょっとアンテナが鋭くなったつもりで過ごしてみれば、
もしかしたらいろんなことが私たちの心を彩って豊かにしてくれるかも知れない。
読むとそんな気持ちにさせてくれる、
まさに正しい意味での娯楽文化芸術になっていると考えます。
まだ読んだことないなあ、というかたがいらしたら、
ぜひ「ええいママールよ」という具合に手に取ってみていただきたいです。
新作『やわらかいアイツ』、如何でしたでしょうか。
此処ではちょっと裏話と言いましょうか、製作秘話をお話したいと思います。
タコを飼っている、というお話ですが、
これは大元の段階では、主人公は女の子だったのです。
それとは別に、
UFOで宇宙人が逃げて来て、
お昼休みのサラリーマンと公園のベンチで会話する短いお話がありました。
この二作品はそれぞれ少し薄味な気がして、僕は二作品をひとつに纏めてみてはどうか、
と具申しました。
その結果、やわらかいアイツが誕生しました。
人間のキャラクタはスリーピースバンドに変わりましたね。
僕はとても良くなったと自負しております。
「わー 色白のブスが好きだー!」
みたいな台詞があります。
これはネームの段階で見せてもらった時に爆笑しました。
「おいどしたどした」と「知るか」と「ちょっと分かる」って、
そんな気持ちが同時に襲って来る、
不可思議で物凄いインパクトの台詞とコマでした。
本稿の下書きではこのコマはなくなっていました。
僕は「出来たらあのコマを復活させられませんか」と言ってみました。
完成した中に入っていたので再感動しました。
人間性が手に取るように伝わって来る、
一本調子だけではない幅のある人間の起伏を表現しているすてきな部分だと思います。
併載『タクマシン』のロボは釣りをしていたので、
やわらかいアイツの背景、
港の向こうの防波堤を海釣りに向かうロボがモブで通過していたらどうか、
なんてことも図々しく進言してみました。
作品間リンクが好きなのっていくつになっても治らないですね。
そうしたら意外な形でとあるページにてコラボレイション!
嬉しさと可愛さ!
ロボと宇宙人が一緒にいるだけで、もう童心満タン、
好きなもの一緒くた、ハンバーグカレーの歓喜と感動です。
さて、
タコ、可愛いですね。
実はタコってとっても頭が良いのだそうです。
瓶の蓋を捻って開けることが出来るし、
ココナツの殻や貝殻で楯を作って身を護ることもするのだそうです。
グニャグニャした身体の殆どは筋肉で、いざという時は強い力を発揮するのですって。
斯くありたいものですね。
私事ですが、ちょうどこの漫画が書かれる少し前、
僕は友人の大ちゃんと「名古屋及びその周辺を深く考えずに旅してみる」を、しました!
2005年に愛地球博に行ったことはあったのですが、
じっくりと名古屋を味わうのは初めてです。
ずっと憧れていた名古屋。
ひつまぶし、味噌カツ、本当にどれも美味しくて、栄とか大須とか街も良い感じで、
あんまり書くと長くなってしまうのですが、
二日目と三日目、名古屋を離れて知多半島の先端にある日間賀島に行きました。
たまたまテレビでこの島のタコを干したりしている様子を見掛けて、
ギュッとした住宅地と坂道とほんのり南国なほのぼのとした風情を気に入りまして、
大ちゃんに島のことを話してみたのです。
彼が快諾してくれたので、海の幸を日程の真ん中に据える形で旅に盛り込みました。
とても穏やかで程好く小ぢんまりとしていて静かで、優しい島でした。
東京から来たと告げると「名古屋からじゃないの!?」ととても驚かれました。
ちょっとした隠れ家的な良い島を見つけたのだな、と嬉しくなりました。
そしてこの島は、タコの島だったのです。
タコが名産で、港には蛸壺がカッシリと並べられていました。
宿のお食事にもタコ料理が出て来ました。大変美味しかったです!
旅の二日目、日間賀島、東港。
旅の三日目、日間賀島、西港。
コミティア105の数日後、
関根さんは吉井ちこさんとchapter22の高野雀さんと共に打ち上げをされたそうです。
その時のお店が、なんと偶然知多半島のお料理を出すお店だったのだそうです!
タコめしを召し上がったそうです。
何というタコまみれ。
そういえば、
僕がティーンの頃に好きだったバンド、
Veruca Saltのセカンドアルバム(セカンドアルバムって大抵良いですよね)、
『Eight Arms to Hold You』、これも勿論タコのジャケットでした。

というより、
とんねるずの石橋貴明が好きだった僕の父ですので、タカさんの罵倒語からの引用で、
僕はしばしば「タコスケ」と呼ばれていました。
僕自身は幼少期はラッコの物真似が得意でした。
タコとはこんなにも縁があったのですね。
こじ付け感はんぱねえっちゃそうなんですよね。
けれど、良いこじ付けは楽しいものですから良しとしましょう!
『やわらかいアイツ』を筆頭に関根さんの作品群が、
タコのように歯応えのある良い食感でありますように。
もし万が一うまく飲み込めなかったとしても、
噛めば噛むほど味が出る、
そんな風に楽しんでいただけたら多幸(たこ)です!
それではまたお会いしましょう!
引っ張りだこを目指して、エベレストライブラリ。